仕事と人
就職活動では商社やIT、食品関連など幅広い業界を見ていました。でも、どこもピンとこなかったんです。時間ばかり過ぎて焦りました。そんなときに紹介してもらったのが当社。「タクシー会社だけどタクシー会社じゃないみたいだよ」と教えられ、どんな会社だろうと興味を持ったことがきっかけです。
運輸業って堅いイメージじゃないですか。でもキャピタルモータースは常に新しい風を吹かせようとして挑戦しています。「これからもっと新しい風を吹かせるために新しいチカラが必要だ」と聞いて、グッときました。いただいた名刺を見たら副社長とあったのにもびっくり。こんなに偉い人が気さくに面接してくれるところにも、柔軟さを感じました。
最初は「えっ」という反応でした。実は私自身も面接前は同じでしたが。でも経営幹部候補生として入社するので、乗務員は最初の数年経験するフローだと説明したら納得してくれました。もちろん今も応援してくれています。
正直簡単な仕事ではありません。例えば起こってほしくはありませんが、事故などのトラブル処理などは、マイナスから始まる仕事ですから。でもそれは受け身の考え方なんです。大切なのは前向きに取り組むこと。事故などのトラブルを処理するのではなくて、どうやったら防げるかと発想を転換して取り組んでいます。そのときには、入社初期の乗務員の経験が活きています。
乗務員の皆さんとのコミュニケーションに尽きますね。乗務員は年齢も性格もみんな違います。でも思い切って懐に飛び込んで話をすれば、みんなしっかり応えてくれます。日々一人ひとりの乗務員に向き合ってコミュニケーションを繰り返すことで、だんだんと一体感のようなものが生まれてきました。事故やクレームも目に見えて減ったんです。コミュニケーションを通じて会社の風土を変えることができたんだと思います。
あるお客様から母子の写真付きでお礼の手紙が届きました。つわりが始まったのでタクシーを呼んだところ、乗務員がとても丁寧に接してくれたとのこと。「お一人で頑張っていらっしゃったんですね」という言葉が、涙が出るほど嬉しかったそうです。切迫してしまいがちな状況でも、お客様を想ったこんな一言をかけてあげられる乗務員を、誇らしく思います。
乗務員にこの手紙のことを伝えたら「人として当たり前のことをしただけです」と。そんな乗務員たちを守り、地域に尽くしていくのが私の使命です。運んでいるのは「人」じゃなくて「感動」なんだと思いました。
運行管理の仕事は、社内の乗務員と向き合う仕事です。そのため外部との接点がなかなか持てません。将来は、社外の人たちと関われる仕事がしたいですね。アンテナを高く掲げ、視野を広く持ちたいと思います。