仕事と人
ええ、憧れてました。かっこいいじゃないですか、ビシッと制服を着て。大人の仕事という感じで。ただ学校を出てすぐにできるとは当時思えなかったんです。だから最初はトラックの運転手の仕事をしていました。それから自動車メーカーの工場で働いたり、ディーラーの営業を経験したりしていました。共通していたのは、自動車に関係した仕事ということですね。
29歳の時でした。面接は3社ほど受けました。その中でキャピタルモータースに決めたのは、他社とは違うと直感的に思ったからです。ホームページから受ける雰囲気も明るいイメージでしたし。何より日本交通のグループ会社であることも大きなポイントでした。大手のグループ会社として安定感が違うし、ここなら長く働けると思いました。
出身は神奈川県なんです。八王子や愛知県で仕事をしたこともありましたが、杉並は中央線の電車で通り過ぎるくらいでした。でも来てみると、都心よりも生活環境は落ち着いていて、それでいて都心には出やすいですし、タクシー会社の立地としては最高じゃないかなと思います。
もちろん不安でしたよ。道を覚えられるだろうか、しっかり稼げるだろうか、事故は大丈夫かなど。でもどんな仕事も最初は不安です。不安だからこそ気を付けて慎重に走ると思うんです。不安なのは、悪いことじゃないですよ。長時間勤務の心配もあったけど、今ではもっと乗っていたいって思うほどです。
乗り始めて1週間ぐらいたったときでした。お客様が「コーヒーでも飲んで」って、チップをくださったんです。びっくりしたけど、嬉しかったなあ。お客様に認められたって思いました。
4ヵ月目ぐらいですね。道にも慣れ、接客も丁寧にできるようになってきて、売上が目標を達成したんです。「これなら稼げる」と思いました。好きな車の運転ができて、お客様に感謝されて、しかもお金まで稼げるんです。タクシーって、ホントにいい仕事だと思いません?
考えながら走ることですね。エリアの特徴を分析して、この時間ならあのエリアっていう感じで。繰り返していくと、だんだん自分なりの作戦というものがはっきりしてくるんです。もちろん先輩に聞けば、ちゃんと教えくれます。最初は先輩のマネをするのもいいでしょう。
いい人ばかりですよ。今も言いましたけど、質問すれば丁寧に教えてくれますし。いろんな人の話を聞いて勉強するのはとても楽しいです。入社の時に感じた明るい印象のその通りでした。僕も後輩には明るく接して、いろんなことを教えてあげたいと思います。
やっぱり車の運転が好きな人ですね。好きで走っていると、時間なんてあっという間です。好きなことを仕事にするって、疲れないんですよ。あとは東京の街が好きなことかな。自分は東京が好きだから、もっともっと走りたいと思ってます。